ナルコレプシー【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは、睡眠覚醒が通常とは異なり、睡眠発作、情動脱力発作(カタプレキシー)、入眠時幻覚、睡眠麻痺、レム睡眠行動障害を主症状とする睡眠障害です。日本の有病率は、0.16%ほどです。

ナルコレプシーは、脳内オレキシンの減少が原因とされています。オレキシンは、神経ペプチドの一つで、睡眠の制御を担っているとも言われる物質で、脳の視床下部に存在しています。

ナルコレプシー患者は、予測できない睡眠に襲われ、立ったまま睡眠に入ってしまう、歩行中や運転中に眠気に襲われるなど危険が伴うケースもあります。

また、居眠りとも解釈できる睡眠が1日に何回も起こるケースもあります。ナルコレプシー自体の認知度が低いこともあり、状況によっては学業や仕事での評価に影響することがあります。

とはいえ、通常の睡眠や居眠りとは、明らかに異なる睡眠であるので、ナルコレプシーだと気づいた場合は、医療に繋げることができます。

診断と治療

診断には、睡眠ポリグラフ検査や反復睡眠潜時検査などが行われます。脳波や眼球運動、筋電図、心電図、呼吸運動、酸素飽和度などが記録されます。

治療は、生活習慣の見直しと投薬療法で行われます。生活習慣の見直しは、症状が軽い場合は睡眠時間の調整カフェインの制限、日光を浴びる、適度な運動をするなどで改善するケースがあります。症状が中度より重い場合は睡眠や覚醒に関する薬が処方されます。

公認心理師試験対策

ナルコレプシーは、脳のオレキシンの減少が原因で、医療による治療が必要です。心理支援としてできることは、心のケアということになります。

とはいえ、学校で度々居眠りをして怒られている子がナルコレプシーかもしれないことも頭に置いておいて、本当にナルコレプシーを疑う場合は、脳神経科などの医療に繋げましょう。

また、明らかになってはいないものの、一部の研究では、H1N1型のインフルエンザ(2009年の新型インフルエンザやスペイン風邪)の後にナルコレプシーを発症する子どもが急増したとの報告があります。さらにADHDや自閉症スペクトラムにおいても、ナルコレプシーを併有する症例が増えていて、その関係が検討されています。