ブレンフェンブレンナーの生態学的発達理論【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

生態学的発達理論

ブレンフェンブレンナー(Bronfenbrenner,U.)は、『人間発達の生態学』という著書において生態学的発達理論を提唱しました。

生態学的発達理論で重視されるのは、①動力学的視点(人は社会生活の中で失敗や目標があり、自分を再構成しながら発達する。)、②相互作用(人は他者や環境との相互作用で発達する。)、③4つのシステム(生態学的な環境下におけるシステムの相互性)です。

生態学的環境の4つのシステム

Bronfenbrenner,U.が考える4つのシステムは、①マイクロシステム、②メゾシステム、③エクソシステム、④マクロシステム、があります。

①マイクロシステム

マイクロシステムは、人の発達過程において最も影響力がある環境のことです。家族(一緒に生活する両親や兄弟)などの発達の核となる環境で、人にとって直接的に影響を与えます。

■人によっては、家族だけに限られません。例えば、孤児院や児童養護施設で養育を受けている場合は、支援員や同居者となり、祖父母に養育を受けている場合は、祖父母となります。

②メゾシステム

メゾシステムは、マイクロシステムの中に含まれるけれども、核から少し離れた環境のことです。人が積極的に参加するマイクロシステムの中における行動の相互作用的な影響があります。幼稚園や学校(教員や友達)がこれに当たります。

③エクソシステム

エクソシステムは、人の発達過程において人を積極的な参加者として含んでいませんが、行動場面で生起することに影響を与える環境のことです。支援を受けている福祉サービスや親の職場などが、これに当たります。

④マクロシステム

人の発達過程における包括的な全体像のことです。子どもに対する文化的な価値観や育児観のような枠組みや習慣、伝統、思想、哲学などがこれに当たります。