Ward,T.のグッドライフモデル(Good Lives model)【公認心理師試験対策】

グッドライフモデル(Good Lives model)

グッドライフモデル(Good Lives model)は、犯罪者の処遇と更生に関する理論でニュージーランドの心理学者Ward,T.によって提唱されました。

グッドライフモデルでは、犯罪者に対して社会的に認められる範疇で重要な社会的あるいは個人的な良いモノ(知的財産や職業スキルなど)を得るために必要な情報を与えることで更生を手助けすることに注力します。

例えば、少年院や刑務所で行われる職業訓練や授業を充実させ、退所後の豊かな生活環境を準備することで再犯の予防とする考えです。

一方で、グッドライブズを準備すれば犯罪は減るからいいよねという単純な考えでもないです。被害者や親族からすれば、加害者が快適に生活できることは好ましくないという心理があります。

こうした倫理的な部分も踏まえて更生とは何かを考えていく必要があります。当時、アメリカでは刑務所が受刑者の収容所として機能していました。しかし、不況と共に犯罪が増え、受刑者が溢れるようになります。

つまり、犯罪者を社会から隔離するだけでは根本的な解決にならない状況に陥ったわけです。また犯罪者とはいえ一人の人間であるわけで、社会権が公に認められ、受刑者や犯罪者であっても例外なく生きる権利があるとされました。

こうした社会通念や法律を持って犯罪者の処遇と更生の考え方も変化してきたのです。