教員からの転職(児童指導員/心理職へ)【体験談を話します。】
今回は「教員からの転職」ということで、児童指導員(心理業務)に転職できた僕の経験談と良かったと思う方法を紹介したいと思います。まず、説明に入る前に僕の経歴をお話しておかなくてはなりません。
僕の経歴
僕は、地方に住む元教員28歳です。地方の国立大学院を修了したあと、非正規教員を3年間していましたが、非正規教員から抜け出せないサイクルに入ってしまいます。
目指していたのが、高校の保健体育科であることから倍率が高く、部活動の強豪校の顧問をしていたために、勉強をする時間がなかったことで、先が見えなくなっていました。
僕は、大学院を修了した身ですので、25歳になる年で初めて職に就きました。貧乏学生をしていたこともあって、家族や友人にも心配をかけていました。
こうした経緯もあり、僕の中で「教員を目指すのは30歳まで」と決めていたことも転職の大きな理由の1つです。
公立高校の非正規教員をしていましたが、楽しくもあり、やりがいもありました。凄く忙しくて、辛い時期もありましたが、「これで正規だったら天職なのに…」とも思っていました。
そして、3年目に先が見えなくなり、ここままじゃ一生非正規かもしれないと思い始め、何となく転職サイトを見るようになります。たまたま見つけた個人の経験を綴ったサイトに、「転職するなら30歳まで」という言葉を見つけます。
これを見て、「30歳から転職先を探すのは遅いのかもしれない」と感じました。それから直ぐに行動に移しました。
転職先の相場を調べましょう
僕は、働きながら転職サイト(後述)を見て、自分の持つ資格や経験で応募できる転職先を探しました。まずは、どんな職があるか、給料の相場や勤務条件を知ることが重要だと思います。
教員免許を持つ場合の給与(支給額)の相場は、18万〜35万円ほどです。給与の高いところは、塾や児童福祉施設の管理責任者です。塾の場合は、就職後の研修などで経験を積んでから配属される流れだそうです。児童福祉施設の管理責任者は、数年間の経験が必須の資格が必要なので、未経験だと応募できません。これらを除くと相場は18万〜23万円ほどです。また、ボーナスがどれくらい貰えるのかもチェックしておきましょう。
■公立学校の先生は、基本給の低さを見ると驚くかもしれませんが、一般企業では基本給に手当をつけて支給額を調整しています。支給額が20万円のところは、基本給14万円+手当6万円とイメージしてください。
勤務条件で言えば、就労時間と休暇です。学習塾や放課後等デイサービスは、子どもが学校から帰宅してからが仕事の時間となるので、勤務時間が遅く設定されています。休暇は土曜日や日曜日に仕事があるため、平日が休暇になることが多いです。
児童養護施設は、朝勤、昼勤、夜勤、宿直などの交替制が基本です。学校に行けない子もいたりしますし、乳児院といって未就学児を預かるところもあります。休暇はバラバラで、長期休暇もないようです。
転職サイトに登録しましょう
僕が利用した転職サイトは、①ミイダス、②マイナビ転職、③Indeed、④ジョブメドレー、の4つです。これらは、アカウントを作る必要がありますが、無料なのでオススメです。
スカウト型
①ミイダス、②マイナビ転職、は都市部の会社が多く登録している転職サイトです。自分の経歴や資格などをプロフィールに記載していくと、その条件に適した会社がスカウトメールを送ってきます。受け身にはなりますが、教員免許があると、塾や児童福祉などの会社からスカウトメールがありました。勿論、自身で検索することもできます。
勤務条件も見たかんじ凄く良い会社が多かったです。ただし、僕は地方に住んでいて、今後も地元で活躍したいという思いがあったので、この2つのサイトは僕には適しませんでした。
自己検索型
次は、③Indeed、④ジョブメドレー、です。こちらは会社が出している求人を自分で探し、応募する形です。この2つ以外にも沢山あります。ジョブメドレーは保育士や看護師の方への求人が多いようでした。見やすいですし、担当の方がメールやSMSで質問に応じてくれます。
ただし、地方で転職を考えている方はIndeedが良いと思います。検索したときに、ヒットする件数が多かったです。僕は、最終的にはジョブメドレーで転職しましたが、Indeedでも書類選考を受けています。
転職の準備をしましょう
僕は、教員を退職して1年間で「公認心理師」という心理学の国家資格を取得しました。僕の場合は、転職するといっても、大学院で勉強してきた臨床心理学の知識を活かせる仕事がしたいと思っていたので、資格取得に挑戦しました。
僕は勉強する時間がなかったので、退職してから勉強に集中しましたが、働きながらできる人は通信教材でも通信制大学でもいいので、自分の就職したい求人の応募に必要な資格を取得するのがいいと思います。
一方、教員免許を持っていれば、放課後等デイサービスや児童養護施設の児童指導員に応募することができるので、子どもに関わる仕事に就くには十分だと思います。特に新たな資格が必要ない人は、この準備期間が不要かもしれません。
■SNSで転職された先生の話を伺ったのですが、情報の免許を持っていて、SEに転職した方がいたり、数学や英語の免許を持っている先生は学習塾に転職する方が多いようです。僕の場合は、保健体育なので、この点については強みがありません。ただ、スカウトメールは結構きていました。
次に、履歴書を書いて、スーツを準備して、面接の準備をしましょう。ハローワークの紹介状が必要な求人もあるので、注意が必要です。これは求人サイトに記載してありますので、何も書いてない場合は、紹介状なしで受けられます。
転職活動を開始しましょう
僕は、3つの求人に応募しました。
1つ目は、市区村から業務委託されている発達支援センターを運営するNPO法人でした。ここでは、特に理由は明かされませんでしたが、書類選考がメールで行なわれ、面接まで進めずに落ちてしまいました。心理職といっても即戦力が求められていたのかなと想像します。
2つ目は、児童養護施設の心理相談員でした。こちらは介護施設も運営している企業です。今回もメールでの書類選考で落ちました。理由を告げてくれて、未経験の方は難しいとのことでした。
3つ目は、放課後等デイサービスを運営する企業です。他の心理職の求人が経験が必須の病院などしかなかったので、心理職を諦めて、児童指導員として応募しました。
こちらは、すぐに面接をしてくださり、僕の経歴と資格を見て、これから心理業務を新規に立ち上げたいとのことから、児童指導員をしながら、心理業務に移行していくと言ってくださりました。ここで無事に採用されました。
面接というと、大学生が就活をするような手堅いものをイメージしていましたが、面接担当の方が「気楽に喋りましょう」と言ってくださり、会話のような形の面接になりました。
とはいえ、限られた時間の中で、自分のアピールをしなくてはいけないので、かなり積極的に話をしたつもりです。例えば、教員時代の勤務経験を聞かれた際には、特別支援学校で担任(グループ担当)を持って、自立活動や保健体育を教えていたこと、大学院で発達臨床心理学を勉強していたことなどを話しました。
こんなかんじで、質問されたことや気にされていることを詳細に説明していきました。
転職の動機(志望動機)
転職で困るのは、この質問ですよね。何が正解かは分かりませんが、参考までに僕が話した内容を記します。
僕の身の上話ですが、①家族や友人の心配もあるので、30歳までに正規の職に就きたいこと、②学校のやりがいを感じながらも、正規になれず先が見えなくなったこと、③大学院で専門にしてきた臨床心理学を活かしたいこと、を嘘偽りなく話しました。
この話に対して、面接担当の方が「教員から転職してきた方も多く、皆さん同じように『自分のしたい仕事ができなかった』と言いますよ。」と言って受け入れてくださりました。
転職というのは、様々な理由があると思います。親が危篤で故郷に戻ってきたとか、パワハラにあったとかです。何でも正直に話すのが正解かどうかは分かりませんが、仕事をしていく上でいずれは明らかになることでもあるので、僕は話したほうがいいかなと思います。
ただ、転職先に決めた理由はどこでもいいというわけではなく、その企業で働きたい理由はしっかり示さなくてはいけません。何なら自分のしたい仕事ができないのであれば、落としてくれたほうがありがたいとも思ったくらいです。
幸い、僕のしたい仕事ができるようで、しかも「やってみたい」ことをどんどん取り入れてくれるような社風で、僕は満足しています。
やって良かったこと
僕は、準備に時間をかけました。Twitterを通して、色んな関連の業種の方に話を聞いて、給与のことだったり、勤務条件だったりを調べました。
ネットで検索すると、都市部の情報は多いのですが、地方の情報が少ないので、同じ都道府県にお住まいの方に聞くのが一番いいです。教員から転職した先輩方の話を聞くのも重要です。
次に、国家資格です。教員免許✕国家資格という差別化ができると思います。教員免許だけの方、国家資格だけの方、よりも優位に立てることと思います。僕の場合は、たまたまどちらも活かせる職に就くことができましたが、そうでなくても「勉強熱心」や「勤勉」といったイメージを与えやすいと思います。
失敗だったと思うこと
転職サイトを1年間みてきましたが、9月頃に求人が出ていても12月頃には消えているというものが多かったように思います。教員は4月始まりで新生活を考えてしまいますが、転職するなら早いうちに活動を開始したほうがいいですね。
2月や3月では、転職する人が多く、同じような考えの人が良い求人を取っていきます。また、転職は若い方のほうが有利と言われています。僕も3月末に転職しましたが、「他にも応募者がいて、協議しますので結果を待ってください」と言われました。