【第2回】初心者が失敗しない投資方法【投資信託とETF】
【第2回】は「初心者が失敗しない投資方法」を紹介します。投資を始めるに当たってリスクを最小限に抑えることが重要です。
特に初心者は値動きに慣れておらず、長期投資を目指すはずなのに値下がりに耐えられなくて売ってしまうといった失敗をしてしまいます。
そこで初心者が手を出してはいけないことと、失敗しない投資方法を解説していきます。
初心者が失敗する投資方法
まず初心者が失敗する投資方法を紹介します。これを避けつつ間違いない商品を堅実に購入していくことが重要です。
①個別株は買うな!
株式投資では、個別株(アップルやTOYOTAなど1つの会社の株)とファンド(投資信託やETFなど個別株を組み合わせたパック商品)があります。
個別株を購入する場合、その会社が倒産・吸収合併したり不祥事・事故を起こしたりすると株価が急落する傾向があります。この他、国レベルの経済的影響がある物価高騰や紛争・戦争などで暴落することがあります。
2022年では、コロナとロシア・ウクライナ紛争、石油高騰で世界中の株価に影響が出ました。投資上級者は、こうしたリスクを考慮し、ジャンルや国を分けて個別株を複数購入することで、リスク分散を図ります。
個別株には、高配当株があったり株式優待があったりします。僕は、よく利用する会社の株を購入するのはアリかもと思います。株式優待を貰うには各会社が設定している最低購入金額ぶんを投資する必要があります。
◆初心者が個別株を買うのはNGです。株の値動きに慣れ、積極的なトレードができる程度の知識と情報を得た場合のみ検討してください。僕は、個別株には手を出しません。
◆ETFは、Exchange Traded Fund の略で、日本語では上場投資信託のことを言います。ETFに投資すると年に数回の配当金を得ることができます。
②デイトレードはするな!
投資の手法として、デイトレードと長期投資があります。デイトレードは、株価が下がっているときに購入し、その株価が上がったときに売却することで、その差分の収益を得る手法です。ただし、日本の法律では利益確定時に20%の税金を納めることになっています。
デイトレードは、経済の動きや会社の情報などを調べ尽くしていないと収益が出ないどころか多額の損をします。また個別株は一株あたりの単価が高く、当然リスクを抱えることになります。初心者にはハードルが高すぎます。
■初心者は長期投資の一択でいいです。デイトレードは賭けの要素が強いです。世界的な大企業においても不測の暴落が起こることがあります。未来は予測できません。
初心者が失敗しない投資方法
上記の「①個別株は買うな!」と「②デイトレードはするな!」は前提条件です。これに加えて、初心者が失敗しない方法を紹介します。
「失敗しない=リスクを最小限にする」を考慮して説明していきます。
①投資信託を使え!
投資信託は、投資のプロに出資して運用してもらう方法です。プロがパック商品を作ってくれて、投資家はそのパック商品を購入するイメージです。このパック商品をファンドと言います。
この投資信託は、プロが良くない会社をパックから省いたり良い会社をパックに入れてくれたり、管理をしてくれます。自分で個別株を買って組み合わせる場合は、全て自分で管理する必要があります。
投資信託は、購入時に「投資信託」を選んで、そこから商品を購入するだけなので、手間が殆どありません。初心者でも直ぐに始められます。また、プロがパック詰めと管理をしてくれるので、リスクは最小限に抑えられます。
■ただし、良くないパック商品も沢山あります。パックされている中身を1つひとつ確かめて買うのが最善です。とはいえ、何を買っていいか分からない人もいると思うので、おすすめを最後に紹介します。
②長期積立をしろ!
投資信託を長期積立することが資産形成の鉄則です。積立とは月1回の購入日と金額を設定して定期的に購入していくことを指します。証券会社で投資信託を購入する際、積立設定ができます。
僕は、本業の「手取収入−生活費」を計算して、月8万円を積立する設定にしています。余裕がある場合は、追加でスポット購入(積立設定とは別に買付すること)をします。
長期積立のメリットは、2つあります。
1つ目は株価の増減に影響されにくいことです。投資信託の場合、株価は1日毎に変わりますが、株価が下がっているときは安い状態で買えるということでもあるので、長期的に見れば大きな違いが出ません。
2つ目は複利です。人気の投資信託に長期積立をすれば年利5%ほどで運用できます。例えば、1年目に100万円を投資したとすると、5%で資産が増えて105万円、2年目は105万円を5%運用します。年利が重なって複利を生みます。
③インデックス投資をしろ!
インデックス投資は、レート指数に連動した商品を購入する手法です。例えば、投資信託で長期積立を行う場合、「eMAXIS Slim 米国株式 S&P500」という商品がおすすめです。
この「eMAXIS Slim 米国株式 S&P500」は、S&P500という指数に連動した商品です。
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の代表的な株価指数の1つです。ニューヨーク証券取引所、NASDAQ等に上場している企業から代表的な500銘柄の時価を平均して指数としています。
つまり、S&P500に連動するファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社へ投資していると言えます。アメリカは経済の中心となっており、アメリカが低落したら世界中が低落すると言われています。
■リスクを最小限に抑えるには「米国株」か「全世界株」でインデックス投資するのが安定です。
④つみたてNISAを使え!
NISAとは、Nippon Individual Savings Accountの略称です。NISAには、成年が利用できる一般NISA・つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。
一般NISAは、株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。
ジュニアNISAは、株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。
この中でもインデックス投資による長期積立に向いているのがつみたてNISAです。つみたてNISAは優遇税制を20年に渡って利用できます。年間40万円までの制限があるものの長期積立に合致します。多くの投資家が上限いっぱいの月33,333円を積立しています。
■使わないと損です。設定も簡単で証券口座で「NISA口座」を設定するだけで使用できます。投資額が大きくなるに従い、税金対策を徹底する必要性が分かってきます。
⑤ネット証券を使え!
投資を始めるには証券口座を開設する必要があります。大手銀行が証券口座も扱っているのですが、いちいち足を運んで取引するのは大変です。
また、窓口に足を運ぶと購入する予定のない銘柄やファンドを紹介されることがあります。営業マンが上手に誘ってくるので、ついつい買ってしまうのですが、保有や取引にかかる手数料が高いものが多く、資産形成には向いていません。
そこでネット証券が有効なのですが、特にSBI証券と楽天証券をおすすめします。ネット証券は、実店舗を持たず人件費もかからないので、そのぶん手数料が安く抑えられます。
また、SBI証券と楽天証券は、取引をすることでポイントが発生します。この取引で発生したポイントや通常の買い物で貯めたポイントを投資商品の購入で使うこともできます。
■投資をする際は、税金と手数料を抑えるのが鉄則です。また、長期積立をする場合、ポイントが積もり積もって結構な額になります。どちらのネット証券も使い勝手がよく、投資商品も良いものが揃っているので、SBI証券か楽天証券を使いましょう。
⑥少額で値動きに慣れろ!
上述の方法で運用すれば基本的に損はないのですが、投資のリスクがどうしても不安な人は1万円を試しに投資して1ヶ月間の値動きをみてください。
良い商品を買えていれば、1ヶ月間で+0.3%程度、1年で3~5%の運用ができているはずです。インデックス投資で長期積立をする場合は、5~20年ほどの長期目線で利益を考慮するのですが、米国株や全世界株の良いファンドを運用すると右肩上がりに株価が伸びているはずです。
まずは、値動きをみてストレスなく投資が続けられるか試してください。長期運用では値下がりしても長期目線で右肩上がりというのを信じて絶対に売りません。一時的に値下がりしていても長期的に複利で増えるので問題ありません。
■つまり、右肩上がりの良いファンドを選ぶことができるかが重要と言えます。しかし、身構える必要はありません。多くの投資家が分析して最も利益に繋がるファンドを割り出していますので、安心してください。
★まとめ
- ①個別株は買うな!
- ②デイトレードはするな!
- ①投資信託を使え!
- ②長期積立をしろ!
- ③インデックス投資をしろ!
- ④つみたてNISAを使え!
- ⑤ネット証券を使え!
- ⑥少額で値動きに慣れろ!
★結論
まとめを考慮した結果、僕が実際に運用している方法は以下の通りです。
■楽天証券の積立NISA口座で上限いっぱいの月33,333円を「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」か「eMAXIS Slim 米国株式 S&P500」に積立投資、長期保有する。
※eMAXIS Slim 全世界株式(日本除く)も人気です。日本株は低迷しているため、日本を除いた全世界株式は良い商品です。日本人ですから情報を得やすい日本株に手を出したくなるのですが、日本は経済的に落ち目です。初心者は、日本の個別株の購入は避けたほうがいいと思います。