ためこみ症【公認心理師試験対策】

2021年3月20日

ためこみ症

ためこみ症(Hoarding Disorder)は、物を手放したり捨てたりすることが困難になる障害で日常生活や社会生活に支障が出る状態を指します。

収集家とは異なり、その物の価値に関係なく、自分の管理する部屋、家、車などに物ためてしまい、対象となっている場所の本来の機能が妨げられてしまいます。

ためこみ症は、青年期頃から発現することが増え、年齢が高くなるごとに有病率が高くなるという特徴があります。

しばしばゴミ置場から物を拾ってきたり、収集を伴うことがあります。家に物が溢れてしまった際には、火事や不衛生による感染症のリスクが高まるため、行政による撤去作業が入ることもあります。

ためこみ症は、本人に自覚がない場合もあり、その場合、他者の介入を拒むこともあります。ためこみ症は、動物をためこむこともあり、保護を名目に野良猫などを家に住まわせて、世話ができなくなることもあります。

ためこみ症の診断基準

『DSM−5 精神疾患の分類と診断の手引』より引用

A.実際の価値とは関係なく、所有物を捨てること、または手放すことが持続的に困難である。

B.品物を捨てることについての困難さは、品物を保存したいと思われる要求やそれらを捨てることに関連した苦痛によるものである。

C.所有物を捨てることの困難さによって、活動できる生活空間が物で一杯になり、取り散らかり、実質的に本来意図された部屋の使用が危険に晒されることになる。もし生活空間が取り散らかっていなければ、それはただ単に第三者による介入があったためである。

D.ためこみは、臨床的に意味のある苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な分野における機能の障害を引き起こしている。

E.ためこみは他の医学的疾患に起因するものではない。

F.ためこみは、他の精神疾患の症状によってうまく説明できない。

ためこみ症の治療と支援

ためこみ症の治療は、認知行動療法や投薬療法が施されます。ためこみ症は、片づけない家庭で育ってきたなどの環境要因とADHDの症状にみられる片づけられない特徴の遺伝要因が考えられています。また、精神的なストレスを抱いていることもあり、これらを考慮した治療と支援を展開する必要があります。

しかしながら、ためこみ症の人は、他者の介入を拒むケースがあるため、継続的に信頼関係を構築した上で介入することが望まれます。また、ためこみ症は、自己に対する直接的な危険が伴いにくいため、自身で治療に臨むことは少ないと考えられます。